ストレッチやヨガなどで180度開脚している人を見ると、とてもしなやかで柔軟性があって憧れですよね。
誰でも一度は挑戦したことがあるのではないでしょうか。
コロナ禍ということもあり健康に意識が向き始めた昨今。
からだは柔らかい方が健康的でケガの防止にもなるのでスポーツの前後や、自宅でストレッチをする人も増えてきています。
「180度開脚できるようになる!」と目標を立てる人もいるようですがちょっと待って!
180度開脚することにデメリットや危険があることを知っていますか!?
今回は180度開脚にはデメリットがあることと、よくない理由や注意点を紹介します。
この記事を読んで正しく開脚のストレッチを行いましょう!
こんなこと書いてます
180度開脚するデメリットとは?
180度開脚するデメリットを見る前に股関節について知っておきましょう。
180度開脚で使う関節は「股関節」という胴体と脚を繋げている、人間の体の中でも重要で大きな関節です。
股関節は歩く・走る・階段の上がり降り・座るなど主に脚を前後に動かします。
人間のからだにある各関節は可動域がある程度決まっていて、股関節の本来の開脚角度は構造上、90度前後と言われています。
それくらいなの!?
と思った人も多いかもしれません。
一度仰向けに寝転んでみてください。
その状態で脚を左右に開脚していくとわかりますが、意外と開かないものですよ。
では可動域以上に180度開脚することにどんなデメリットがあるのかみていきます。
じん帯や軟骨の損傷の可能性がある
関節はからだを動かすために、パズルのように凹凸に骨と骨が組み合わさっていたり、軟骨がクッションの役目をしてスムーズな動作ができています。
骨と骨をじん帯や軟骨、筋肉で繋げていますが関節本来の可動域を超えた場合、じん帯が損傷したり軟骨がすり減ったりします。
成人の軟骨は一度すり減ってしまうと修復が困難なので気を付けなければなりません。
股関節がゆるむ
先ほど説明した骨と骨を繋いでいるじん帯や軟骨が損傷すると、パズルのように組み合わさっている関節部分にゆるみが生じます。
股関節がゆるむというのは脚(大腿骨)に踏ん張りがきかなくなったり、捻挫や脱臼など大けがのリスクが高まります。
人間がまっすぐ立つだけでも重要な股関節がゆるんでしまうと、歩く・立つ・座るなど日常生活で不可欠な行動も支障が出てしまいます。
老後の日常生活が困難になる
日常生活を送るために重要な股関節に支障が出ると、老後の生活も困難になってしまいます。
転倒しやすくなったり、骨折や脱臼など大けがをしてしまうと復帰に時間がかかります。
年をとると運動量が減るので、股関節周りの筋肉量が落ちたり、股関節のゆがみから筋肉が固まってよりケガのリスクが高まります。
老後に入院すると入院期間が長いのでそのまま寝たきりになってしまう…なんてことも。
さらには日常生活の刺激もなくなり脳の老化も早めてしまいますから避けたいところです。
180度開脚がよくないといわれる理由
180度開脚できる人は「からだが柔らかい=健康」というイメージがあるかもしれません。
柔軟性があれば筋肉が収縮して血流も良くなりからだが楽になります。
「股関節が固い」という表現は関節が固いのではなく関節の周りについている筋肉が固いという意味です。
では次に180度開脚がよくないといわれる理由についてみていきます。
誰でもできるわけではない
体操選手やフィギュアスケート選手など手足がしなやかで柔らかく、きれいに開脚している姿は見とれてしまいますよね。
しかし彼らアスリートは幼少の頃からの訓練で可動域を広げてきたのです。
筋肉や骨が柔らかい幼少期を過ぎた大人の私たちが「今年は180度開脚を目指す!」のは困難かつケガのリスクがあり危険です。
また股関節の可動域は個人差もあるので、毎日のストレッチで誰でもできるようになるわけではありません!
無理をして老後のリスクを高めないように気をつけましょう。
間違った思い込みがある
- 健康的でスタイルが良い人は柔軟性があり180度開脚ができる
- ストレッチは痛いくらい伸ばさないと意味がない
- いつか180度開脚できる
このように間違った思い込みから180度開脚を目指す人がいます。
たしかに柔軟性があると血流が良くなりからだの不調が少なく、ボディラインがきれいになります。
ですがストレッチを無理に行うと筋肉を傷めてしまう恐れがあるので、痛いくらい伸ばすのは逆効果です。
筋肉の柔らかさや可動域は個人差があるので毎日痛いくらいストレッチを続けたからといって180度開脚できるとは限りません。
筋トレも同時に行っていない
柔軟性ばかりを重視してしまい股関節まわりの筋トレを行わないのは惜しいです!
ストレッチで伸ばしてゆるめると同時に、股関節まわりや脚の筋力もぜひ鍛えましょう!
老後はからだの筋力が低下していくので筋肉量をアップさせ股関節~脚をしっかり支えましょう。
180度開脚するときの注意点
大人の私たちが180度開脚を目指すリスクについてみてきましたが、可動範囲内での柔軟性はあった方が良いと思います。
膝裏や太ももの後ろ側を伸ばすことは姿勢や腰痛の改善にもなるので、ご自身の動く範囲でのストレッチはおすすめです!
まず180度開脚するときの注意点は以下の5つです。
- 180度を目指さない
- 自分の限界の開脚角度でストレッチしない
- 反動をつけない
- 痛くない気持ちよく伸びるところで止める
- スクワットなど筋トレも同時に行う
健康に良いとはいえ、やりすぎは禁物です。
はじめは痛いと思うので無理をせず、気持ちよく伸びる程度からスタートしてみてくださいね。
180度開脚できなくても続けていると徐々に膝裏や太ももの後ろ側が伸びて背筋がよくなってきますよ。
同時に筋トレも取り入れて「将来の貯筋」を増やしましょう!
まとめ
180度開脚のデメリットと、良くない理由や注意点を紹介しました。
キレイに180度開脚できる人は幼少期からの訓練の成果なんですね。
ある程度の柔軟性はあった方が良いですが、180度開脚できなくても大丈夫です!
- 人間の関節の可動域は決まっているので無理に180度開脚を目指さない
- 柔軟性は個人差があるので誰でもできるとは限らない
- 将来のケガのリスク軽減のためできる範囲でストレッチと筋トレをする
なにごとも無理せず頑張りすぎないように、じっくりゆっくり継続していきましょう!
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